2016 GW・緑風と祈りと光の見仏巡礼記【その2】

『第一日目 奈良・壺阪寺~聖林寺~長岳寺~法隆寺』


壺阪寺の三重塔、秘仏大日如来像を堪能した後、
仏伝図のレリーフ前を進み
天竺門と書かれた扁額を見上げます、青に金、
インドな彩色が綺麗です、
もっとも創建当時のお寺はどこもこうだったのかしれませんが。
とにかく天竺門ってありがたい門を過ぎただけで
心身を浄化された気分です。

そして遠くからもよく見える大観音石像、大涅槃石像エリアへ着きました、
このどちらかというと「のほほん」とした空間に身を置くと
人生で起こる瑣末なことなど、もうどうでも良くなってきますね(^o^)
天竺渡来のスケール感に溢れてる壺阪寺と
この日の抜けるような青空はよく似合ってました、
空を見上げてりゃ〜なんとかなる、そんな大らかさを感じました。
他のお寺とは一線を画してるこの雰囲気とそこからの見晴らしを楽しみ、
次から次に現れる石仏のパワーに圧倒されながら、
順路通りに進んで出口を目指しました。


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受付近くまで戻ると
相変わらず「上を向いて歩こう」が流れてます、
バスが着いたのか、ちらほらと参拝の方が増えてました、
カメラおやじが石仏の前で早速構図を求めしゃがんでます・・人のことは言えないけど(^_^;)
視線を上げるとお堂の屋根が見えてます。
やはり、眼病治癒で信仰され続けた十一面千手観音坐像の存在感が
特に信仰心のないワタシにも強く胸に残りました、
観音の放つ光が奇跡を起こすと信じたい、
なんとなくそんなことを思いながら
最後に一礼して車へと戻りました。

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来た道をそのまま戻り、途中から懐かしい飛鳥京を抜けていきます、
以前、GW旅で訪れた時にレンタル自転車で巡ったエリアです、
亀石から橘寺、石舞台から岡寺や飛鳥寺・・
あの日も今日と同じ快晴の空でした、
いつも書いてますが奈良の空、大好きなんですよね(^^)
車は七世紀史の舞台、飛鳥の都を走り抜けます、
ここがかつては倭国の首都としての機能を果たしてたのですからねぇ、
深い歴史の蓄積に感慨深いものを感じます、
以前、訪れた時にも、創建当時の飛鳥寺に思いを馳せました、
この奈良の空がそう想わせるのかもしれませんねぇ〜(^^)
飽きること無くこのエリアに魅せられてるのは
そんな浪漫を感じているからなのでしょうね。

道はやがて談山神社へと向かいます、
今回、残念ながら最終的に候補から外した談山神社、
大きな歴史の足跡が残る神仏習合の地ですからね、
人と神と仏・・・秘仏の如意輪観世音菩薩を一度は観てみたいなぁ~。
また次回、今度は第一候補群の中に入れる予定です(^^)

車は静かな里の細くうねる道を進んで
寺の駐車場へと滑り込みました。
駐車料金を支払おうと脇に建つ小屋の中を覗くと
おばあちゃんが器用に横になって寝てました(笑)
なんとも長閑なことです(^o^)
声をかけて料金を渡します、
急に起こされたせいか、照れたような笑顔が可愛いおばあちゃんでした。

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駐車場からすぐの細い坂へ向かうと白壁の瀟洒な寺が見えてます、
少し狭い石段を上がると山門に着きました、
右手には遠く奈良の町が見渡せます、
三輪山を始め様々な古墳を見渡す位置にあるこの寺こそ聖林寺です、
念願の聖林寺の前に立ちました(*´∀`*)
小さな境内へ入り受付で拝観料を支払います、
御朱印帳を預け、靴を脱いで横の本堂へと上がります。

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堂内に入ると、丁度ご祈祷中でした、お経が外まで聞こえてましたからね、
お経はリズムです!そのゆらぎ効果はハンパないです(^^)
ちなみに・・
外国人と会話したいなら英語が基本、
仏像と会話したいなら・・・お経を覚えましょう(笑)
これはワタシの思いつきじゃなくみうらじゅんさんが
「見仏記」の中で言われてることですけどね、なるほどなと笑っちゃいました(^^)

とりあえず本堂内の見仏は後にして
一旦、入口とは別の戸から廊下へ出て観音堂へと向かいます、
すぐの細い階段を上がりますと右に観音堂があります、
閉められてる扉を開けます、つまり堂内には誰も居ません、
おおっ、ワタシらだけだ!
これはなんという幸せ、お導きに素直に感謝です(^^)
堂内中央、大きなガラスの向こうに佇むその姿に視線が吸いこまれます、
もう何度も何度も雑誌や本で見ていた国宝・十一面観音菩薩立像、
目の前にいらっしゃいます(*´∀`*)
やっと、今回やっと会えました!!!
少し落ち着いてから静かに挨拶を済ませ、
ガラス面ギリギリまで進んでその姿を目に焼き付けます、
さすがに美しい、写真で見るよりも遥かに素晴らしい仏像です、
スマートで肉感的なプロポーション、
頬はふくよかで目は細く上唇はめくれて厚い、なんともいえないその表情、
慈悲溢れるしなやかな指先、天平の木心乾漆像の傑作に呆然と見惚れてしまいました。
・・・欲しい!(笑)
許す限りの時間をこの観音堂内で過ごしました、
写真家の土門拳は「古寺を訪ねて」で
この十一面観音を「菩薩の慈悲というよりも神の威厳を感じさせた」と書いてました、
三輪山の神大物主の化身ではないか?と。
元々、大神々社の神宮寺として三輪山大御輪寺の本尊だったとありますからね。
うーん、面白い、そして不思議です!
とにかく超越した聖性のすべてを持つ像だと言えます。
幸い他の人は最後まで来ませんでした、たっぷりと観音に浸る時間が過ごせました、
何度も仰ぎ見つつ扉を閉めて階段を降ります。
また必ず来よう、と心に決めて。

【2008年発売されたお気に入りの一冊「美仏巡礼」その表紙を飾りました】
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本堂へ戻るとご祈祷は終わり、静寂に包まれてます、
ワタシらだけなのでひたすら静かな見仏です、
この本堂内でひときわ目を引くのが
本尊の子安延命地蔵菩薩、白くて巨大なお顔の丈六石仏です、
左右に童子を従えた三尊形式、
あっ、丈六ってサクっと書いてますが
知らない方のために(^_^;)
釈迦の身長が4.8m(高い!)これが一丈六尺で丈六です、
立像の場合はそのままですが、坐像の場合座ってるので半分の2.4mになります、
でもそれを半丈六とは言いません、立てば丈六という考え方なので
坐像でも丈六仏といいます。
いずれにしろ丈六仏の存在感はイイですね、
一番ひれ伏したくなるサイズだと思います、
特に阿弥陀如来は丈六が一番好きです(^^)

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さて、このお地蔵さん、
お堂から今にも飛び出しそうな存在感なのに
とにかくユーモラス、そこがいいですね。
他には阿弥陀如来座像、珍しい如來荒神像、毘沙門天像などを見仏して
外回廊へ出ます。
西側の眺望の良い廊下に小さな座布団が置いてあるのでそこで座りひと休み、
遠く奈良を眺めます、
新緑の匂いと鳥の声、心地よい風に思わず眠りそうになりました、
時計を見ると制限時間一杯です(^_^;)
最後に見仏のお楽しみである販売グッズを眺めてから、
受付で御朱印帳を受け取り外へ出ました。
駐車場へ戻ると、おばあちゃんはまた昼寝してました。(笑)

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<続く>

by opaphoto | 2016-05-10 22:00 | 京都&奈良&近畿 | Comments(0)