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2016 GW・緑風と祈りと光の見仏巡礼記【その4】

『第一日目 奈良・壺阪寺~聖林寺~長岳寺~法隆寺』



斑鳩の里へ到着しました。
久しぶりの法隆寺です。
前回は2012年冬に訪れました、
あの時は12月下旬の三連休を利用した旅でした。
静かな見仏旅だったなと思い出しました、
冬は冬でなかなか情緒がありイイもんです、
またそのうち計画しようかなぁ(^^)

道路沿いの広い駐車場に車を入れると
すぐに係のおじさんが来て
駐車代の集金と駐車場所を教えてくれます。
町営の駐車場で500円でした。
参道の周りには無料と看板を掲げた駐車場がいくつかありましたが
下に『お店で1000円以上購入』と・・・(^_^;)
そりゃそうだよね!まっ、商売ですから。

土産物屋さんが並ぶ参道を少し歩けば、すぐに南大門前に着きました、
この門をくぐるとなんとなく雰囲気が変わります、
両脇の土壁が奥の西院伽藍、中門へと伸びてます、
この風景を見ると、気分は飛鳥時代へ時空を越えていきます(^o^)
世界最古の木造建築群、国宝、重文は約190点にも及びます、
1400年の歴史に触れられる貴重な空間です(*´∀`*)
そして・・広い境内に漂うのは、あの聖徳太子の気配。
伽藍越しに見上げれば当時と変わらぬ空が広がります、
創建時は西院の辺りを斑鳩寺、
夢殿がある東院が斑鳩宮、東西で整然と並んで
太子の仏教信仰を体現していたと言われてます。
ちなみに兵庫県の太子町に斑鳩寺ってあるんですよね!
今後、行きたいお寺のひとつです。

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いろんな寺院へ見仏旅をしていると
弘法大師同様、避けては通れないのが聖徳太子です、
大阪の四天王寺はそんな縁の寺でしたね、
また聖徳太子像はあちこちで見仏する機会があります、
その都度、法隆寺のことを思いました、
そんなわけで最初に訪れた時よりも見仏を重ねた今は、
更に思い入れが増した法隆寺です。

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中門の前に着きます。
ホントなら正面に堂々とした国宝の門、
そして、あのカッコいい日本最古の金剛力士像が左右に見えているはずですが・・・、
修理中のため、工事用のシートに覆われてます。
事前にわかってましたがそれで外す理由にはなりませんでした。
すべての修理が完了するのは平成三十年とのことなので、あと二年ですね。
それまで中門越しの西院伽藍の風景は見られません。
向かって左側、受付のある入口へ向かいました、
拝観料は三箇所分が付いて(西院伽藍、大宝蔵院、東院伽藍)
1500円です、支払いを済ませ伽藍内へ。

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見上げれば惚れ惚れするような五重塔の存在感に目を奪われます、
その隣に並んで建つ重厚な造りの金堂、いずれも国宝建造物です!
そして奥に大講堂があり、これらの周りを広く回廊が囲んでます、
やはりこの空間は素晴らしいなぁ。

さてと、まずは五重塔内部へ、この四面に配された仏教説話を描く
塔本塑像、順番はまず東面から北⇒西⇒南と進みます、
過去から未来へと壮大な時間の流れる救済の物語が描かれてます、
これは必見です(゜.゜)
続いて金堂へ、これが最も古い建物になります、
薄暗い内部に浮かぶように現れるすっかりお馴染みの仏像群です、
中央の釈迦三尊像、右に薬師如来、左に阿弥陀如來、
そして周りを囲む四天王、釈迦三尊像の両脇には毘沙門天と吉祥天。
配置の仕方が絶妙でそれが荘厳な雰囲気を醸してます。
通路から金網越し食い入るように見仏しました。
釈迦如来のアルカイック・スマイルと見開かれたアーモンドアイ
日本文化の原点と言われるその造形美を堪能します、
ついつい目が行ってしまうのが四天王に踏まれてる邪鬼、
いつもは派手に踏まれユニークな表情で笑いを誘いますが
法隆寺の邪鬼は逆に天を支えてるような安定感があり面白いです。
前回訪れた時もそうしたように、今回も深く深呼吸してみました。
当時の方々と同じものを見ているということに


さて、次は大講堂ですがその前に、
まずは金堂を出た所から五重塔を見上げます・・・・居ました!
そうです、隅鬼が居るんですよねぇ~、
健気に四隅の隅木を支える隅鬼(^o^)
唐招提寺の隅鬼は絵本にまでなりましたからねぇ~、
とりあえず望遠に変え隅鬼ハンティングです、
ちなみに金堂の柱も賑やかでした、獅子や象が支え、龍が巻き付いてました、
こういう部分を見るのも楽しいです、そしてその細かい仕事に感心します、
造り上げた人達の祈りを感じずにはいられません。

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最後の大講堂内部へ入ります、ここから見る伽藍の広々感が好きなんですよね、
そして堂内に目を向ければ国宝の薬師三尊像!
うーん、癒されるなぁ~、丈六仏で見事な存在感です、
また天井を突き抜けそうな光背が素晴らしい、
こちらは金堂の諸仏よりも数百年後、平安中期の仏像です、
やはり平安のどっしりとした重量感を感じます、
膨よかな顔は優しいなぁ。

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大講堂を出て回廊を進みながら五重塔、金堂を
ゆっくりと見て西院伽藍を出ました。
次に向かうのは聖霊院、これこそが聖徳太子信仰の中心です。
早速、靴を脱いで院内へ、本尊の聖徳太子像は非公開ですが
座って手を合わせると心が和みます。
そして、ここで御朱印を頂きました!聖徳太子ファンなら思わずニンマリする
お言葉が書かれてましたよ、まさに聖徳太子のサインです(^o^)
それはこの見仏巡礼記の本編終了後、「御朱印編」で紹介しますのでお楽しみに(^_^;)


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続いては大宝蔵院、法隆寺のお宝見物です、
やはりここで1番印象に残るのは百済(くだら)観音こと観音菩薩立像でしたね、
飛鳥時代の仏像で当然国宝ですが
凄く間近で見られるのでじっくりと見仏しました、
相変わらずこその細さには驚きます、そして長身、
人間離れした造形が必要だったのか?
ワタシには決して美仏とは思えないけど
一度見たら忘れられないインパクトがありますね、
千三百年以上を超え存在する奇跡をじっくり見仏しました。
他にも法隆寺のお宝がたくさん展示されてますので
見応え充分、なんせ、飛鳥~白凰時代ですから国宝重文だらけ(^_^;)
聖徳太子二歳像見ると、もうすでに凄まじく凛々しいお顔、いやはや流石です、
お馴染みの唐本御影、これを見るといつも思うんですけど、
そろそろ1万円札・・・戻して欲しいねぇ~聖徳太子に!
廃仏毀釈とかさ、いろいろやらかしてくれてるでしょ、明治の方々は・・・
はっきり言って好きじゃないのよねぇヽ(´ー`)ノ

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宝蔵院を出て広い通りを夢殿へ向かってトボトボ歩きます、
これが結構長いんですけど、なんか好きなんです。
ここで時間を見ると16時半近い・・・
もし時間が余れば行こうと思ってた
予備の「中宮寺」行きは諦めました、
閉門の時間を過ぎました。
夢殿から直ぐなんですけどね、
あの如意輪観音(一般的には弥勒半跏像)に逢いたかったなぁ~、
それはまた次回ということになりました・・・
結局、こうして「次回へ」が溜まっていくので奈良巡りの終わりが全く見えないんだよねぇ~
というか、そもそも「終わり」がない旅だった(笑)

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夢殿こと東院伽藍へ入ります。
綺麗な八角形の堂宇、古代では故人供養の意味合いがあったそうで、
聖徳太子を偲ぶために創建され、協力したのがワタシが好きな光明皇后や
安倍内親王だと言われてます。
ここに安置されている飛鳥時代の秘仏・救世観音が夢殿のご本尊、
4月11日から5月18日まで公開されています(^o^)
聖徳太子の姿を等身大で写したと伝わる観音像で、
元々金堂で釈迦三尊の西側に置かれていたとも言われてます。

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しかし、東院伽藍の静かな雰囲気はなんなのでしょうか、
観光客は多いけど、ワタシの耳には物音ひとつ届かない
静寂な空間です。
夢殿の救世観音像と対峙します、ただただひたすら穏やかですね、
一日目の最後はこの救世観音の見仏で終わりました。
この堂で仏の夢を見たという聖徳太子は621年2月5日、
ここでその生涯を終えます。


【特徴的な瓦越しに五重塔を撮影してたら、偶然にも鳥!・・・これがイカルって鳥、ただの鳩?
いずれにしろ斑鳩の地で太子に歓迎された気分でした(^^)】

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眩しい西日を受けながら長い道を南大門目指して歩きます、
太子の血は山背大兄王の死によって絶え、やがて大化の改新、
蘇我氏は衰退していきます、でも、それらのことよりも
太子が思い描いた理念に思いを馳せます、
それを理解していたのは、
モノ言わぬ金堂のあの仏像たちなのかもしれません。
遠い未来だった現在をどう見つめてるのでしょうか?

南大門をを出て振り返り、聖徳太子へ一礼します、
今度伺う時は素晴らしい中門の修理完了後になるでしょう。
では、それまで。

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駐車場に戻リ、車に乗る前に、
さすがに疲れた体がソフトクリームを要求します(^_^;)
子供のように目を輝かせ注文したのは珍しいほうじ茶ソフトクリーム!
いや~美味しかったなぁ~、そこでふと思いつきました!
今夜は大阪だしお好み焼きでも食いながら生ビールだな、と。(^o^)

<続く>

by opaphoto | 2016-05-17 22:00 | 京都&奈良&近畿(巡礼旅行記) | Comments(0)