2017 秋旅・古事記を巡るぶらぶら旅・その1【アマテラスの光・伊勢、神宮 】
「神宮へ行かねば」
何年も前からそう思いつつ、なかなか遠い場所だった「伊勢」
今年(2017年)秋旅はそんな伊勢へと向かうことにしました。
どうせ伊勢へ行くのなら、さらに南下して熊野へも行きたい!
そして最後は名古屋へ。
2泊3日旅を目一杯楽しむことにしました。
もちろん、ただ行ってもつまらない、
日本の神々を巡る「巡礼」こそがこの旅の目的なのです、
遙か古事記の世界に思いを馳せつつ、
どこか「なんちゃって感」を漂わせ(^^;)
我らが太陽神アマテラスの光を求めて
ぶらぶらと歩いてみようというわけです。
11月3日から始まる三連休の天気が一番の心配でした、
なんせその直前に2週続けて週末に台風直撃です、
少しズレれば旅行中止もあり得る展開だっただけに
ヤキモキしてました。
でも、さすがに三週連続は無く、晴れマークが三つ並んでくれました、
太陽神アマテラスに感謝です。
出発の朝、早く起きると窓の外は意外にも雨でしたが
わんこ散歩で外に出て西の方角を見れば
雲が切れ青空がうっすらと見えてきてます、
なんとなく導かれし旅になりそうな予感がしました(^_^)
東京駅に着いて京葉線ホームからの長い道のりをとぼとぼ歩きます、
途中は動く歩道ですが。
7時40分発のぞみ101号は定刻通りに発車します、
久々に乗る新幹線が滑るように動き出します、
いつもながら一番ワクワクする瞬間なのです。
車窓を流れる風景、遠くに美しい稜線の富士山が良く見えていました、
車内アナウンスで知らせてくれたほどです。
そこでふと思い出します、実はここから今回の古事記旅は始まっていました。
富士山そのものを御神体とした、富士山本宮浅間大社、
その御祭神はコノハナサクヤヒメノミコト、
絶世の美女だそうです(*^_^*)
その浅間大社に相殿(アイドノ)の神として祀られているのが
その夫であるニニギノミコトです。
ちなみに「御神体」「御祭神」は違います、
御神体はその神社でお祀りしてる神聖な物で
御祭神はその神社でお祀りしている神様の事です。
相殿(アイドノ)は御祭神に対して、他の神を合祀することです。
そしてそのニニギノミコトこそはアマテラスオオミカミの孫なのです。
コノハナとニニギノの夫婦、この話も面白いのですが、
それはまた後で。
ちなみに神々の名前は漢字で書いてもすさまじく読みにくいというか読めない。
なので、カタカナ表記中心にしますね(それでも読みにくいけどね(^^;)
そんなわけで美しい富士山を見ていると、その孫から
「おばあちゃんに会いに行くんだよね、ヨロシク言っといてね」
そんな風に言われたような気がしました(^^;)
神世七代の時代の最後に誕生した男神と女神、
イザナキノミコトとイザナミノミコトが国土を固めるように委任されて
天浮橋に立ち天沼矛でぐるぐると海をかき混ぜて、その矛先からしずくが落ち
それで島が誕生していきます、これが「国生み」
そうやって日本は生まれました。その形は「大八嶋」と言って
今で言えば 「本州、四国、九州、壱岐、対馬、淡路島、佐渡、隠岐の島」
次にこの二神は「神生み」を行います、
まぁ、いろんな神様を生んでます、例えばその中の神で
ワタツミノカミ、この方は海神ですね、ワタツミって聞いたことありますよね。
あと山の神やらの自然現象に関する神々、住居に関する神々、
生産に関する神々となります、
古事記でこの時三十五柱の神々が生まれたと書かれてますが、
実際には十七柱だけ神々の名前が記されているとあります。
途中で面倒臭くなったんでしょうかね(笑)』
名古屋駅に着いたのが9時21分。
新幹線の改札を出たらすぐ12番線が見えます、
ホームへ上がります、9時37分発の「快速みえ3号 鳥羽行」に乗り換えです。
ワタシらはこの電車で一旦伊勢駅を通り過ぎ、二見浦駅まで向かいます、
乗車時間は1時間半です。
注意しないといけないのは四両編成の先頭から二両までが終点の鳥羽まで行きます、
その切り離しは伊勢駅で行われます。
なのでワタシらは先頭から2両目に乗りました。
もう一点、名古屋から伊勢へはSuica等使えません、
切符買うしか無いです、車内で車掌さんから購入します、
ただ新幹線改札を出た時点でSuicaに名古屋駅入場の記録が残ってるんですよね、
車掌さんにその事を聞くと、もう慣れっこなんですね、
【この人は現金精算済なんでスイカの入場記録を消してちょーだい!】
と言うようなことが書かれた紙をくれますので
それを無くさないように持っていて、後日名古屋駅に戻った時に
処理してもらうのです。
ちなみに二見浦駅は無人駅でした、なんか随分遠くへ来た気がしました(^^;)
『イザナキノミコトとイザナミノミコトの二人は神生みに精を出してますが、
最後に火の神カグツチノカミを生んだ時にイザナミは焼かれて亡くなります・・・神も亡くなるのか(^_^;)
怒りと悲しみでイザナギはまずカグツチノカミを殺します・・・って自分の子供だよね(^^;)
で、イザナミを追いかけて黄泉国まで行くのです、愛ですね、
でも、黄泉国で再会したイザナミは腐乱して醜い姿に変わっております、
イザナギは・・・・逃げ出しちゃったんですね、わかるけど・・逃げちゃアカン。
黄泉比良坂(よもつひらさか)を追いかけてくるイザナミ、逃げたイザナキはその坂の入り口を
巨岩で塞ぎ、妻であったイザナミと決別しました。
黄泉比良坂(よもつひらさか)の伝承地は島根県松江市にあります。
決別した際にイザナミは「あなたがつくった人間を毎日1000人ずつ殺す」と物騒な事を言い、
イザナキは「それなら毎日1500人子供を作ろう」と答えたそうです。
黄泉国から戻ったイザナキは穢れた国に行った事を後悔し、阿波岐原という場所で
禊ぎ祓いをします、現在の宮崎県宮崎市にそのみそぎをした池があるそうです。
その時、イザナキが投げ捨てた杖や袋、脱ぎ捨てた衣や帯などから次々に神が生まれます、
身体を清めるために池の水底に潜った時に「綿津見三神」と「住吉三神」の海の神が生まれます、
住吉三神は住吉大社に祀られていますよね、綿津見三神は博多湾を拠点にした
阿曇連(あずみのむらじ)という海人族の始祖となります。
そしてここからがクライマックス(笑)
イザナキが禊ぎの最後に左目を洗っていると、
その時に生まれたのが天照大御神(アマテラスオオミカミ)
次に右目を洗った時に生まれたのが月の神・月読命(ツクヨミノミコト)
鼻を洗っている時に生まれたのが嵐の神・須佐之男命(スサノオノミコト)
イザナキは最後に生まれたこれらの貴い子に歓喜したとあります。
アマテラスには首に掛ける玉飾を渡し、高天原(たかまのはら)を治めよと、
ツクヨミには夜の「食国(オスコク)を治めよと、
スサノオには海原を治めよと命じました』
電車は伊勢市駅でしばらく停車します、
とうとう伊勢にやってきました、感慨深げにホームを眺めます、
伊勢駅からすぐのところにトヨウケノオオカミを祀る外宮(げくう)があります、
アマテラスオオミカミの内宮(ないくう)は伊勢駅からは少し離れていますね。
物事には順序がありますが神々の世界もまたしかり。
そしてそれを知ることはとても大事だと思います、
明らかに知らないよりはとても楽しむことが出来るし、
それゆえ古事記の世界を遊ぶことが出来ます。
内宮におわす最高神アマテラスオオミカミの所へいきなり行くようなことを
してはいけないのです。少なくとも【外宮→内宮】が正解です。
御朱印もその順番で頂きましょう。
さらに伊勢の地にはアマテラスオオミカミノの弟が祀られています、
イザナキの禊ぎの時に2番目に生まれた神、ツクヨミノミコトです、
もちろんこちらへも挨拶が必要です、順番としてはアマテラスの前に。
でも、一番肝心なのは猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)なのです。
猿田彦神社ってあちこちにありますが一体どんな神様なのか?
それを知ることが神社巡りではとても大事です(^_^;)
しかもあの白鬚神社、これもあちこちにありますが
この祭神もサルタヒコノオオカミなんですね、
こういうことで複雑にとても思えるんですが(^_^;)
神々の世界には何かと{?}な部分も多々あります、
でも、それはそれでイイのです、古事記の世界は「物語」の世界なのですから。
大雑把に捉えることも大事なのです(^o^)
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『古事記にサルタヒコノオオカミが登場するのはイザナキの禊ぎから
アマテラスら三兄弟が生まれた随分後の話になります。
高天原を統治するアマテラス、そこへ暴れん坊のスサノオノミコトがやって来て
暴れ回ります、なぜ暴れまわったのか?それは彼が母親であるイザナミに会いたいがため、
要はマザコンのどうしようもない利かん坊なのです、
スサノオノミコトに関してはそれだけでかなりの物語になりますからね、
最後は出雲国を治めるわけですが。
さて、暴れ回るスサノオノミコトに怯えたアマテラスは
天岩戸に閉じこもります、この部分は有名なお話ですね。
太陽神が閉じこもればこの世は闇です(^_^;)
やがて八百万の神々が岩戸の前で祭事を行い
あまりの賑やかさに何事かと出てきたアマテラスを
二度と岩戸に閉じ籠もらぬように、その戸を一人の神が遠くへ
投げ飛ばします、投げ飛ばされた場所が戸隠山、そこに「戸隠神社」が
誕生し、祭神には天岩戸開きで功績のあった神々が祀られます。
その随分後に、アマテラスの孫ニニギノミコトが
アマテラスから三種の神器を授けられます、そのひとつが「八咫鏡(やたのかがみ)」でした、
これらを手に地上へと降臨します、これが「天孫降臨」です。
アマテラスはその時に「八咫鏡」をアマテラスの分身として常にそばに置き祀れと告げます。
その後、宮中で祀られていましたが11代垂仁天皇の時に
天皇が住む同じ場所に祀るのはあまりにも恐れ多いとして
皇女のヤマトヒメノミコトに神鏡を祀るにふさわしい場所を探させ、
そこで選ばれたのが・・・伊勢、皇大神宮の始まりとなります。
話を少し戻して、ニニギノミコトが天孫降臨した時に
途中まで迎えに行った日本土着の国神がいました、
天の御子の先導役を務めたのが、猿田毘古神、つまりサルタヒコノオオカミなのです。
まぁ、導きの神というわけですね。今はもっと広い意味での導きの神として祀られています』
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そんなわけで神宮への参拝はまず自分をアマテラスの元へ(正確には分身である八咫鏡)
導いてくれるサルタヒコノオオカミの元へ最初に行くのが正しいのですね。
二見浦駅に着きました。ここで降ります、
駅は無人駅、駅前は静かですが目の前に鳥居が立っておりました、
うーん、気分高揚しますね。
空は紺碧、日差しが燦々と降り注ぎます、
あ~アマテラス、ここではそれをとても身近に感じさせてくれます。
夫婦岩表参道、そこを進みます、
しばらく行くと・・・出た!「赤福」
もうこのエリアは赤福エリアでもあります、あとで食べることにします(^_^;)
あまり人のいない町を抜け、やがて潮風の匂い、二見浦の看板が目に入りました。
その先には伊勢湾が広がります、風が強く波立ってますが
まさに豊饒の海ですね。
左に海を見ながら歩いて行くとそのまま参道へと変わります、
ワタシらが最初に向かうべき場所、それは「二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)です。
鳥居で一礼して海沿いの小道を進みます、
手水舎で清め、振り返ると有名な夫婦岩が見えました、
夫婦岩は注連縄で結ばれ鳥居の役目を果たしています、
肝心なモノよりも鳥居の方が有名になりましたね(^_^;)
その肝心なモノ・・・それはサルタヒコノオオカミ縁の霊石と伝えられる
「興玉神石(おきたましんせき)」この神石が夫婦岩から沖合700mの海中に祀られています。
なので見えません(^_^;) おそらくあの辺り・・・ということで手を合わせます。
この夫婦岩の間からの差し昇る朝日こそ日の大神、アマテラスの御神威なのです、
そこに猿田彦の神力も加わり、また済んでいれば遠く富士も拝めるという、
まさに神々しさの三つ巴、この二つの岩・・・スゲぇ!(笑)
しばらく眺めていましたが、そうゆっくりもしてられないので本殿へと進み、
サルタヒコノオオカミへご挨拶、
どうぞアマテラスの元へとお導きくださいませとお願いしておきました。
ちなみにこの二見興玉神社の御祭神は
・サルタヒコノオオカミ
・ウガノミタマノオオカミ
さらに龍宮社に
・ワタツミノオオカミ
サルタヒコノオオカミは前述したとおり善導の神、
ウガノミタマノオオカミは稲の霊の神と言われ食糧を司る神です、今では衣食住産業の守護神らしいですよ。
ワタツミノオオカミは海の守護神、龍神信仰の神でもあります。
これで第一関門突破なのです(^o^)
で、安心したところで御朱印を、そしてここの素晴らしい御朱印帳も(笑)
by opaphoto | 2017-11-12 23:00 | 旅日記 | Comments(2)