2018 GW・京都&奈良、青もみじが呼んでいる!万緑の巡礼路【最終回】
【清水寺~建仁寺~六道珍皇寺~智積院~三十三間堂~東本願寺】
六道珍皇寺を出て東大路通に出ますとすぐにバス停がありますから、
来たバスに飛び乗ります。
京都駅方面に向かうのですが、降りるのはその大分手前の智積院前です。
このお寺にも今回初めて訪れることが出来ました。
智積院と言えば、ワタシが好きな弘法大師空海の真言宗ですね、
その中の「智山派」の総本山となります。
智山派には例えば我が家は何かにつけ参拝する「成田山新勝寺」や
関東で有名所だと川崎大師、高尾山薬王院もそうなのです、
知ってか知らずか真言宗智山派のお寺にはかなりの方が行かれているわけですね。
真言宗、まぁ~密教なんですがその魅力はやはり仏像力ですね、
大日如来を中心に据えたあの世界観は仏像好きには堪りません。
大きな入り口の前に立つと、さすがに総本山の雰囲気に溢れてます。
入り口を入ってすぐの受付はいきなりの御朱印所になってます、
まずはここに御朱印帳を預けて番号札を貰います。
拝観料はさらに奥の拝観受付所になります。
境内の通路を進んで居いくとまるでどこかの綺麗な公園を歩いているようです、
普通の公園と違うのはゴミひとつ無いという点、
それだけで現実離れしてますよね(^_^;)
京都中心部の大寺院って感じです。
それなのになぜか人が少ない!なによりそれが嬉しかったなぁ。
・・・でも、人気無いのかな?ちょっと気になるけど。(^_^;)
拝観受付所で拝観料を支払います、
それで収蔵庫と講堂、名勝庭園を見物できます。
まずは裏手にある収蔵庫へ。
そこにあるのがあの長谷川等伯の国宝障壁画です、
これを観るのも目的のひとつでした!
完全湿温度管理の中に置かれている時代を超えた等伯一門の傑作「桜図」「楓図」
など、収蔵庫の中は国宝、重文だらけです、
豪華絢爛な桃山文化が目の前に広がります。
絵などまともに書いたことが無いワタシにはもはや奇跡にしか見えません(笑)
収蔵庫を出て右へ行くと名勝庭園の案内があります、
正面には講堂が見えてますのでそのまま中へ入ります。
収蔵庫は当然ながら撮影NGですが、講堂と庭園は撮影可でした、
ピッカピカに磨かれた廊下に写り込む庭の新緑。
吹き抜ける風も緑色に見えるようです。
講堂の襖絵、利休好みの庭と言われる名勝庭園に囲まれ、
その畳の上で贅沢な時間を過ごしました。
講堂を出ると次は金堂、明王堂と巡ります、
これらは無料で入れます。
まずは金堂、立派ですね、
智積院の中心ですから、もちろん御本尊は大日如来、
堂内へ入り見仏です、
もうね、実に華やか内陣です、
大日如来の上にある天蓋の煌びやかなこと、
六角形でもちろん宇宙観を表してます、
その脇間には弘法大師像が置かれていました。
続いて明王殿、もうその名前でわかっちゃいますよね、
大日の化身、不動明王がいらっしゃるわけです、
早速内へ入ります、正面の内陣に目を向けます、
いや~興奮しました、なんとそこに居並ぶのは五大明王ではないですか!
中尊には不動明王が制多迦(せいたか)童子と矜羯羅(こんがら)童子との
三尊形式でいらっしゃいます、
その三尊を左右二体づつに分かれた明王達が守っているように
鋭い眼光でこちらを睨んでます。
ここで五大明王が観られるとは思ってもみませんでした、
これは嬉しかった、やっぱり五大明王はカッコいいっす(*^_^*)
出口へ向かう小径を歩きますと目の前に梵鐘があります、
やはり梵鐘は引いて撮る方がいいなぁとか思いつつ撮影します、
同じ真言宗ですが、密教の聖地「東寺」とはまた違った印象の智積院でした、
長谷川等伯の襖絵の豪華さはむしろ東寺とかには感じることの無い部分ですね、
密教っぽく無いというか、それでも堂内のあちらこちらに空海の気配はあります、
大日と不動、どちらも素敵だったし。
思っていたよりもスゴく良かった「智積院」でした。
最後に受付で預けていた御朱印帳を受け取り、
その反対側にある甘味処で、見仏歩きの楽しみ甘味補給タイム。
いよいよ京都時間の残りが少なくなってきました。
智積院から歩いてすぐの三十三間堂へ向かいます、
ここは再訪です、見仏旅を始めた最初の頃に訪れています。
その時と大きく変わった点があります、それは三十三間堂の全ての仏像が
「国宝」になったと言うことです!2018年3月でしたね、
指定さればかりです。
以前は1000体にも及ぶ観音菩薩立像はすべて重文でしたからね(^_^;)
だからといって仏像自体が変わったわけでは無いのですが、
細かな補修とかされていたみたいで、それらが全て終わったと聞きました、
ちなみに中央に御座す巨大な中尊はもともと国宝でしたね。
そんなワケでちょっと興奮しつつ堂内へ入りました。
靴を脱ぐとこがなんか綺麗になった気がしますが、
前回のこと、すっかり忘れちゃってます。(^_^;)
途中でカバンにカメラを入れます、
かなり厳しく撮影禁止の事が書かれています、
手に持つこともNGですね。
順路通りに進むとすぐ目の前に仏像群が現れました!
うーん、相変わらず圧巻な眺めです、よくもまぁ~ってなもんですよ(^o^)
そのほとんどは「十一面千手千眼観世音」
中央の巨大な中尊の左右に500体、合計1001体の観音菩薩群です、
その他にも風神雷神、さらには観音二十八部衆まで、
え~と、だから仏像としては全部で1031体となりますね。
これが全部国宝です。
今回のGW見仏旅の最後に相応しい圧倒的な仏像力を全身に浴びます、
この無限感は半端ない!
もうクラクラしながら歩きましたよ(^_^;)
で、中尊の前にさしかかると、若干混んでます、
そこが御朱印所になります、
多くの僧侶の方が書いているのでそんなに待たなくてもOKなんですが、
巨大な中尊の前で賽銭入れて拝む方が多いのです。
またその脇では簡単な説明とかしてくれているので聞かれる方々も多く
て尚更詰まり気味でしたね。
とにかく見仏の列が止めどなく流れているので仕方無いけど、
中尊を過ぎると自然に空いてくるから不思議です。
みんな飽きて早足になってんのかなぁ~(笑)
ワタシは観音像を見つめながら歩いてましたが、
・・・ある時点からパースが狂い始め、
時間軸が不規則に揺れ、幻聴が鼓膜を叩き、
香が脳味噌を炙りました。
完全に無限仏の世界に包み込まれ
観世音トランス状態に陥ります、
あ~もうこれ以上は危険だな!と思ったところが出口でした(笑)
外へ出て息を整えつつ、今度はのんびりとお堂の周りを歩きました。
かつてはここに五重塔や不動堂なども建立されていたとありますから、
どれだけスケール感ある寺院だったかということですよね、
それを想像しようと思いますが、恐らく想像以上です。
ちなみに三十三間堂はお堂の名前で寺名は「蓮華王院」です。
御白河上皇に献上するためにあの平清盛が建立しました、
まぁ〜どれだけ清盛が力を持っていたかということでしょう。
完成してすぐにこれを見た上皇はぶっ飛んだんじゃないでしょうかね!
もちろん全てが金ピカに輝いてたわけですからね、
それはもう、この世の景色じゃ無いよなぁ~(^_^;)
外に出て、京都駅方面のバスに乗り、
途中で降ります、時間があるので駅近の最後のお寺に
立ち寄りました、
そこで信号待ちしていると、こちらに向かって賑やかな車列が低速で走ってきます、
近々行われる葵祭用の道具を運んでるようです、
京都らしい眺めを楽しんでいると1台の車になんとあの神馬ちゃん(模型)が!!
この際、模型でもいい!最後の最後に神馬ちゃんに会えましたよ(^o^)
思わずシャッターを押すと、子供達大喜びでした。
神馬ちゃんを見送り、信号を渡ると
巨大な山門があります、東本願寺です。
浄土真宗、あの親鸞の聖地ですね。
もうひとつ西本願寺も並ぶようにありますけど時間的にそちらへは行けません。
しかし、何というか、京都駅のすぐ近くにこのスケールの寺院ですからね、
やはり京都は楽しい。
この門は御影堂門と言うそうです、京都の三大門のひとつと言われてます、
しかし、大きな門です、浄土真宗のパワーを感じますねぇ、
楼上には三尊像(釈迦如来、阿難尊者、弥勒菩薩)が置かれてるですが、
観たいけどいつ観られるのかわかりません。
境内に入れば左右に巨大なお堂があります、阿弥陀堂と御影堂、
中央の渡り廊下で繋がっています。
御影堂から入り阿弥陀堂から出ましたが
どちらの内部も広過ぎて(笑)
まぁ好き勝手に過ごせる雰囲気は良いけどねぇ、
浄土真宗は基本は拝観料とは無いですね、宝物館とかもあまり聞かないなぁ、
さらに御朱印はありません!考え方が違いますからね。
以前、親鸞(五木寛之著)を読んだのですが、
やはりというか、訪れてみて違和感を覚えました、
どうもこの巨大なお堂などのスケール感と
ワタシの親鸞像が全く結びつかないのです(^_^;)
まぁ小説の話なのですが、事実もそう遠くないと思います。
すべては親鸞聖人没後のことなのでしょう。
でも、あの小説は面白かったなぁ、若き親鸞が闊歩した京の都に思いを馳せ、
その舞台に今、自分が立っていることにワクワクしました。
そして時計を見ます、京都時間が終わりを告げます、
一抹の寂しさを感じつつ京都駅へ向かいました。
2018年GW、3日間の旅でしたが
とても楽しい時間が過ごせました(いつものことですが)
神仏巡礼路は新緑に彩られ、
清々しい自然の息吹に溢れていました。
憤怒の閻魔様も巨大な蔵王権現も
その裏には温かさがありました。
そんな事を思いながら駅弁と冷えたビールを買って
定刻通りの新幹線に乗り込みます。
車窓に流れる黄昏ゆく空を見ていたら
ふと、雲の形が天に駆け上る龍のように見えました。
<終わり>
by opaphoto | 2018-07-12 23:00 | 京都&奈良&近畿 | Comments(4)
おふたりとも、期せずして山行きですね
暑さの中、楽しくすごし無事にお帰りになることをお祈りします
ところで、静かな京都というお題目、住人が思うのは次の3つくらいでしょうか
・3月前半
・6月前半
・10月後半
いずれも、ピークから少し外れた時です
ただし、いわゆるサクラやモミジ、および新緑には会えないかもしれませんね
とにかく、寒い冬は防寒すればある程度なんとかなりますが、7月~9月は防暑できないのでちょっとはずした方がよいでしょう
今日も、日蔭の温度計は40度、ひなたにおいた水桶は43度になっています ~~
GWと言っても5/1〜5/2の合間狙いでしたからね、
混雑を感じたのは最終日5/3の午後からでした。
静かな京都だと平成天皇の誕生日が絡む
年末3連休の時に2回ほど行きましたが、
さすがに静かな京都を楽しめましたよ。
RWさんも山歩きなんですね、朝日連峰ですか!
ブログUP楽しみにしてます(^_^)
有り難うございます!
無事帰りました。
静かな京都・・・
なるほど!住んでる方ならではの情報ですね。
ワタシが京都にまだ行ってない時期は
夏と真冬です、8月と2月ですね。
そのどちらかで行くとすれば2月・・・
それにtaparaさんの情報を絡めて3月前半がベストかも(^_^;)
訪れる春を感じられる良い時期ですよね。
今日、ニュースで祇園祭のことを言ってました、
・・・画面を見るだけで暑く感じました(笑)
しかし、信じられない気温・・・ご自愛下さい。