秋の夜長は

相変わらずだらだらと読書を楽しんでます。

遅読なのでなかなか進みませんが、例年暑い夏を過ぎ

秋になり涼しくなれば読書量は増えてきます(^^)


ここ数日は季節が先へ進んだような冬の様相で

しかも冷たい雨を落とす重い雲を恨めしげに睨む日々ですが、

これは一時的であって欲しいもんですね、

まだまだ秋を楽しみたいもんです。


昔はよく寝る前に本を読んでましたが、

今では眠りを誘う妙薬でも飲まされたように

すぐに瞼が重くなり老眼かけたまま眠ることが多々あり

最近はもうヤメました(^_^;)

その代わり午前中が調子良く、目もスッキリで活字が脳に溶け込むようにスラスラと

染み入っていきます、

恐らくこれは年を取ったってことなのでしょう(笑)



という事で、前回、「騎士団長殺し/村上春樹」以降に

読んだ本を本棚から引っ張り出してみます。まずは・・・




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「みみずくは黄昏に飛びたつ」川上未映子・村上春樹


とても面白かったです、ワタシは村上主義者なので当然なのですが。

インタビューワーである川上さんの質問力には驚きましたね、

相当な村上ファンです。(いや、完璧な村上主義者です(笑)

なんとなく川上さんの小説も読みたくなりましたからね、

それにしても内容の濃いインタビューでした、

村上さんの発言も興味深く、とても楽しく頁をめくることが出来ました。

テンポがいいのでまるで二人の会話をラジオから聞いてるような感じで

読み進めます。

この本を読んでいると村上さんの古い本を再読したくなりますね、

昔とはまた違った感じ方をしそうです、というか元々前後左右からの視点で読み解く楽しさを

提供してくれていると感じます。短編は何度か読み返すことがるけど長編はなかなか・・・

でも、とりあえず今溜まっている本を読んだ後にでも(^_^;)








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「夏の闇」「輝ける闇」「珠玉」 開高健


村上さんの「騎士団長殺し」を読み終わったあと、

何の脈絡もなく突然開高さんの本が読みたくなって

随分前に読んでいたのですが、一気に三冊を再読しました。

相変わらずの圧倒的な文章力です、語彙の豊かさとその表現力、

濃密で匂い立つというか、皮膚感覚で滲みてくる文章なのです。


釣り紀行の「オーパ・シリーズ」や「フィシュ オン」などとはまた違った味わいがありますね、

また「パニック」などもと違うこの感性、それはやはりその場にいてその場の空気を吸われたからでしょう、

何を見て何を感じたか、その点を余すこと無く伝えてくれています、

これを読めばベトナム戦争って何だったんだろと思わずにはいられません、

アメリカはいったい何と戦ってたんだろ?

この本は人類の愚かな記録として未来に残さないといけない、そんな気がします。


絶筆の「珠玉」は今読んだほうがとても沁みましたね、

珠玉とはまさに「生」そのものだと思いました。

当然ですが年齢を重ねたことによって自分の抽斗の中に

実感として受け入れられる「言葉」が増えたのかも知れません。

そう思うと年を取ることは悪くないなぁと感じます。

開高さんは59歳で亡くなりました、あまりにも早過ぎる・・・

その歳に近づいてる自分を思えば尚更そう感じます。






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「東京エレジー」太田和彦


太田さん自身の思い出の東京物語です、

挿絵は沢野ひとしさんですね。

ワタシも東京へ来てずいぶん長いこと経ちますが

都会というこの街の変貌ぶりには驚きますよ、

昔の風景は記憶の中にしか残ってません、あと古い写真の中と。

あの頃の自分と今の自分、特に地方出身者には

それぞれの東京物語があるんでしょうね、太田さんの記憶を辿る文章の中に

状況は全く違うけど自分を重ね合わせたりしました。

太田さんの優しい眼差しに映る東京の街角の情景と同化する居酒屋の佇まい、

人生の哀愁を肴に一杯の酒を飲み干して流れゆく時間をやり過ごす夜、

一人しみじみと飲みたくなる本です(^^)





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「緋の天空」 葉室 麟


光明皇后の物語ということで、この方の著作を初めて読んでみました、

その時に知ったのですがあの「蜩ノ記」の作者さんだったのね、

映画はWOWOWで観ました。物語がなんとなく藤沢周平さんっぽかったので、

調べたら違ってたんですよね。ちなみにその「蜩ノ記」で直木賞受賞されてます、

知らんかった。

という事で、「緋の天空」の主役は光明皇后です、

あの藤原不比等の娘で夫は聖武天皇、娘は孝謙天皇。

奈良で神社仏閣巡りをすれば、

東大寺の大仏を始め多くの場所でこの光明皇后との繋がりを

感じられます。ワタシは特に以前訪ねた海龍王寺を思い出します、

その地はもと藤原不比等邸宅跡でした、

その御本尊、十一面観音が実に美しいのです!!

ワタシはそこに光明皇后の面影を見た思いがしました(*´∀`*)

堅苦しい文献とは違い小説として面白く描かれているので

一気に読めました、光明子は活き活きと描かれてましたね、

長屋王の子、膳夫王への思いとかドラマティックに描かれてます。

しかし、「光明」ってステキな言葉です、国を民を照らす光、

光明皇后もまたアマテラスの再来だったのかもなぁ~(*´∀`*)







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「夜想曲集」 カズオ イシグロ


カズオ イシグロさんの短編集です、

音楽をテーマにした五つの物語、

ウィスキーでもチビチビやりながら読むのに良い感じです(^^)

よく出来たショートムービーでも見ているように

テンポ良く物語が流れていきます、これこそ短編のいいところだなと感じました。

ワタシは中でも「降っても晴れても」が好きでしたね。

文中に出てくるアーティストの楽曲は要チェックです、

ワタシは思わずサラ・ボーンのCDを買いましたから(^^)

村上春樹さんもそうですが音楽と物語の親和性をとても感じます。


つい先日、カズオ イシグロさんはなんとノーベル文学賞を受賞されましたね、

その一報に思わず声が出ましたよ(^^)

おめでとうございます。

ワタシはカズオ・イシグロさんの本のタイトルがいつも素敵だなと思ってました、

映画にもなった「日の名残り」とか、「わたしを離さないで」なんて

そのタイトルだけで物語の中へ吸い込まれていきます。

まだまだかなとは思いますが次回作楽しみにしてます。







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「パーマネント 神喜劇」万城目学


万城目さんの新作、今回も出てすぐに買いました、

で、読んでみると、うん、面白い!

後半一気に畳み掛ける展開にいつもながらページをめくる

早さが増していきます(^^)

そして最後に今回も万城目ワールドにハマったなと。


「バベル九朔」や「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」を

読んでる人は思わず・・・(笑)

前作の「バベル・・・」よりは万城目さんらしい作品かなと思います。

万城目さんの神やら神獣やらの奇想天外モノはやはり面白い!

また次回作も期待したいと思います、

「鹿男あおによし・2」なんてどうかな(^_^;)

「さぁ、神無月だ、出番だよ、先生」で、また始まる新たな物語、ワクワクするけど。







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「村上春樹 翻訳 全仕事」村上春樹


村上さんの翻訳した本は何冊か読んでます、

そのうち紹介します。

これはそんな翻訳した本(全てカラー写真で掲載)のガイドブック的な意味合いもありますし、

柴田元幸さんとの対談、初めて活字になった記念すべき翻訳文も掲載されてて

翻訳本に関してのかなり盛り沢山な内容になってます、

村上さん自身が解説されているので、

結局、読んでない本を全部読みたくなります (^_^;)









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「沈黙」 遠藤周作


この作品はあのマーティン・スコセッシが監督し映画になりましたね。

映画の公開を先に知りましたが原作を読んでなかったので、

この際なので、読んでみました。

読んでから観る派です(笑)

映画はもうレンタルされてますのでそのうちにでも。

遠藤周作さんの文章力が素晴らしく一気に読まされちゃいます。

そしていろいろと考えさせられる内容でしたね、

文中の「呻き声」が実際耳に聞こえたようで、いつまでも胸に残ってます・・・。

ほぼ史実通りというのがまた心に鉛を打ち込まれたような気分になりました、

ワタシは長崎県出身なので物語の風景が思い浮かびます、

東シナ海、五島、平戸、大村、諫早、長崎。

キリシタン迫害、拷問、殉教、沈黙する神、

キチジローの存在が光ります。

その重く悲しい歴史に目を向けた時、思い出したのは長崎の教会を巡った時のことでした、

そこに教会があるということの奇跡を感じずにはいられません、

読んで良かった!そう思える本です。








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「神社巡りをしていたらエルサレムに立っていた」

「ニッポン西遊記ー古事記編ー」

 鶴田真由


当初タレント本のイメージがありましたが

まずタイトル、そして内容がなんか面白そうなので

「神社巡りをしていたらエルサレムに立っていた」の方を先に購入して読みました。

元々鶴田真由さんには好感をもってたんですよね、

以前NHKで観たキューバへの旅、D810&24-70を肩から下げて闊歩するそのどこか涼しげな姿を見て、

素敵な女性だなぁ〜と(*´∀`*)思ったものでした。


読んでみて感じたのはまずそのアプローチの軽さ、これはいい意味です(^_^;)

それでいてとても真面目に遊んでる感じが楽しい、

一貫して漂う太古への浪漫、一緒に日本人のルーツを巡る旅をさせてもらえたような気がします、

どことなく漂う「のほほん感」がまた良かったなぁ。


すぐにその前作「ニッポン西遊記ー古事記編ー」も購入して一気に読みました、

これも面白かった、琵琶湖の竹生島など行ったことのある場所を取り上げていて

改めて再訪したくなりましたね。

しかし、古事記は面白い、神話が現代とリンクする場所に共通して感じる

ただならぬ気配が活字を通して伝わって来ました。

ワタシも古事記旅したいなぁ~(^^)と思わせてくれました。



とりあえず今回の紹介は以上です。

今現在も面白い本を読んでいるので

またそのうち紹介します。



by opaphoto | 2017-10-20 23:00 | 本の雑記 | Comments(2)

Commented by rollingwest at 2017-10-21 08:05
今年も村上春樹はノーベル受賞はなりませんでしたが、村上春樹とは親友のカズオ・イシグロに授与で日本に所縁ある方が選ばれ嬉しい限りでした!
Commented by opaphoto at 2017-10-21 21:32
RWさん、こんばんは。
カズオ・イシグロさんの受賞は嬉しいですね、
これを機に沢山の方に本が読まれれば良いなと思います。
毎年恒例の大騒ぎになった村上さんは今頃ほっとしているのではと思います。(^_^;)