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阿夫利神社と大山寺(丹沢・大山)

日本の山々、多くが山岳信仰の対象です、

山の名前ひとつにしてもそれを感じることがありますね、

薬師岳、阿弥陀岳、観音岳、地蔵岳、大日山から弘法山・・・

挙げたらキリがありません。

そんなわけで神仏の知識が多少でもあれば山歩きがさらに楽しめます。

ちなみに山のことを「一座、二座」と数えますが、

その「座」は「くら」とも読みまして、

そこは神が御座す場所と言うことですから聖域なのです。


ふと、山中で目にする道祖神や石仏、

中にはかなり朽ち果てたものもありますが

出会ったらやはり敬意を祓うことはとても大事な事ですよね、

そして霊域や結界の存在も感じたりします。

深い森へ吸い込まれていくような感覚は

日常では味わえない体験かも知れません、

いつからか思うようになったのは、

山頂を目指すのも楽しい山歩きなのですが、

そこまでの過程こそが実は大事だということでした。

いい加減な判断では最悪「死」に直面することになる、

どんな山でもその事を感じて、

ある意味、自然に対して謙虚であるべきだと

思ったもします、それが山に御座す神仏への敬意なのかなと。

そう考えると、辛い急登さえ五感で山歩きを楽しむ

大事な要素なんですかね(^_^;)





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さて、今回歩いた大山ですが、

ここもまた古くからの山岳信仰が盛んだった山で、

あの富士山と共に信仰の対象になっています。


大山の神を祀る神社が「阿夫利(あふり)神社」

「阿夫利」は「雨降り」ということで雨乞い信仰の中心でも

あったそうですよ(^_^)

で、御祭神を調べると


・大山祗大神(おおやまつみのおおかみ)

・高龗神(たかおかみのかみ)

・大雷神(おおいかずちのかみ)



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主祭神の大山祗大神・・・

天孫降臨した瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が結婚したのが

木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)

その父が大山祗大神なのです、確かその時に瓊瓊杵尊に

二人の娘を同時に嫁がせたのですが

うち一人は返されて・・・って話でしたね、

たしかそれが原因で瓊瓊杵尊以後、不死だったのに寿命が与えられてしまったとか。


大山はかなり力を持った祭神が祀られていました、

で、富士山との関係なんですが、

娘の木花之佐久夜毘売は富士山の噴火を鎮めるために

浅間神社、つまりは富士山の御祭神となられているんです。

つまり、富士山と大山は父娘の関係にあるんですね!

登る途中で見た富士山の美しい姿を思い出しますよ、

そして、父はここから娘を見守っていたのかと思ったりして。






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ちなみに瓊瓊杵尊と木花之佐久夜毘売の間に三人の子供が生まれたんですが、

そのうちの二人が「海幸彦」と「山幸彦」なんですね、

古事記の主役級登場です。


さて、ケーブルカーの下社駅を降りて石燈に導かれ進むと茶屋のある広場に出ます、

左を見れば上へと続く石段、社殿はその上にありました。

立派な鳥居の先に社殿があり、その上に大山の山頂が見えています、

参拝をして神域へ入る許可を頂きました(^_^)

その後、空いているうちに御朱印を頂いて

広い境内からの眺めを楽しみました。

社殿左側に作られた登山口へ行けば、

小さな鳥居があり、そこに幣(ぬさ)が置かれてました、

あのお祓い時に振るモノですね。

カミさんとお互いに頭を垂れ、バッサバッサとお祓いをします、

あれをやられると何か心身が浄化された気分になりますから不思議なもんです。


それから登山口入り口の鳥居を一礼して潜り、

山頂奥の院を目指しました。





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山頂に着いて御朱印所を探したら案内はあったのですが、

そこのシャッターは閉じたまま。

いつも頂けるわけじゃないんですね、うーん、残念ですが

こればっかりは仕方無い。

下山時も御神木や龍神社などがあり、

神域の気配が色濃く残る登山道でしたね。





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阿夫利神社の境内から15分ほど下れば

今度は「大山寺」です、

神から仏へと変わります。

ここの山号は「雨降山(あぶりさん)」となってましたね。

こちらも歴史を感じられる佇まいの本堂、

境内は狭いけど、まず目を引いたのが本堂脇に建つ「銅像宝篋印塔」

よく見るとかなり凝った造りでしたね、

その近くに梵鐘、奥には池までありました。

奈良の東大寺を開いた良弁僧正が755年に開山したとありまして、

その後、弘法大師も入ったとありますから驚きです、






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この日は御開帳の看板が出てましたので

あとで頂いたパンフを見ると

春の特別御開帳が3月28日から始まったばかりだったんですね。

これはラッキーでした!


堂内に入ります、

内陣拝観は料金400円、拝観料を支払い、早速内陣見仏です。

一応順路が書いてありますのでその通りに巡ります、

須弥壇の真裏に奥にガラスで仕切られた小堂があり、

そこに御本尊の鉄造不動明王と二童子像。

ライトアップされて見やすいです。正面からのみですがこれは見応えありました!

鋭い眼光、堂々たる存在感、両脇の童子像も凜々しさに溢れてます、

以前は国宝だったような事が書かれてますが?

現在は重文みたいですね。

しかし、鉄造って珍しいです、鎌倉時代ですからね、

木造よりも難しそうです。

じっくりと見仏して、正面に回り、須弥壇の仏像を拝見、

大日如来、弘法大師座像、不動明王座像などが

ありましたね。

最後に御朱印を頂きます、こちらは400円でした。





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山歩きと神社と寺院と見仏、さらに御朱印と

これだけセットになっていれば

なんら文句はありません、とても充実した一日でした(^_^)


阿夫利神社下社と大山寺へはケーブルカーでラクにいけるので

山登りしない人も楽しめそうですね、下社からの展望もイイし。


とりあえずこれで大山祗大神へのご挨拶も済んだので

丹沢山塊への入山許可証は発行されました(^_^;)

でも、丹沢エリアはかなりキツいので

次はいつになるか?わかりませんけど(笑)




by opaphoto | 2018-04-07 23:00 | 神社・仏閣・仏像 | Comments(0)