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2019 改元GW・琵琶湖巡礼の旅(観音の導き編)その1

4月30日(平成31年)

【巡礼地・櫟野寺(らくやじ)・善水寺・石馬寺・多賀大社】

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GWに車で近畿エリアへ行くのは2016年以来です。

その間に車はレガシィ アウトバックからフォレスターに替わりました。

レガシィ時代は毎年GWに車で行ってましたが、

その時の最大の利点は娘が京都に住んでいたので

宿代がかからないということでした(^_^;)

お陰でその数年間は、多くの神社仏閣見仏巡りを楽しみ、

すっかり道が分かるようになり、馴染み深いエリアとなりました、

そのせいか、娘がこちらに帰ってきてからも

京都や奈良通いは収まることもなく、今なお続いてます。


いつもGWは見仏巡礼を中心に旅を計画しますが、

今回はまずサイクリング、「ビワイチ」有りきでした。

「ビワイチ」とは、自転車で琵琶湖一周することの略称です。

自転車を2台車載して、旅先でサイクリングを楽しむということが

車を買い替えてから、以前よりラクに出来るようになりました、

去年の夏、安曇野に自転車道具一式と登山道具一式、

さらに一泊の荷物などを積み、

出かけたときの経験が大きく、これなら全国どこでも行けるなと。

今後は旅先に自転車を持ち出してサイクリングするという

「車載&旅漕ぎ」スタイルで楽しみたいなと思ったわけで、

その第一弾が「ビワイチ」になりました。



【フォレスターにロード2台積み、空いてるスペースに結構荷物詰めますし、

後輪を結わいて「V」の字になってるので

運転席と助手席はある程度リクライニング出来ます。】

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当初の予定では1~2日目がビワイチの予定でしたが、

初日の天気予報が悪く、2~3日目へと変更、

なので初日は、本来3日目に予定してた見仏巡礼へと

向かうことになりました。

でも、今にして思えば、行ってすぐにサイクリングするよりは

翌日からの方が身体はラクだったと思うので、

むしろ天気が崩れたことに感謝したいくらいです。

夜を走り、少し仮眠して行動する事が、

以前は平気でしたが、最近は辛く感じる事もあります。

やはり、衰えてるんでしょうねぇ(^_^;)

基本、登山もそのスタイルでやって来ましたが、

これからは、まず体調を考えて、

いろいろ計画しないといけないのかも知れませんねぇ。



旅の始まりは4月29日(月)の20時過ぎ。

目的地は新名神高速道の土山SA。

渋滞してた首都高抜けるのに時間がかかりましたが

東名に入れば、ほぼ順調。

休憩を取りながら進み、深夜3時頃に土山SAに到着。

しかし、SA内はすでにほぼ満車・・・、さすがGW。

運良く空きスペースが出来たので、そこに駐車して、とりあえず仮眠を取りました。


朝は少しひんやり、曇天、時々小雨。

朝食はそのままSA内のコンビニで買って済ませます。

拝観時間に合わせSAを出発、すぐの甲賀土山ICで降りました、

そこから下道を抜け、最初の巡礼地「櫟野寺(らくやじ)」の駐車場に到着します。


さて、櫟野寺。

2016年に東博で「平安の秘仏(滋賀 櫟野寺の大観音とみほとけたち)」

が開催され、ワタシも行きましたが

まずは、その時の主役だった、十一面観音菩薩座像と再会です。

丁度、春の特別拝観時期になっており、厨子が開かれているんです、

他にも展示会でお会いした全ての仏像が待ってくれています。

本来有るべき姿でそこに御座すわけで、

展示会の時とは違い魂が入っていますからね、

まぁ、見た目には分かりませんが、あくまで精神性の問題です。



【東博で行われた櫟野寺の展示会のチラシ(右)芸大で行われた展示会「長浜の仏達」での冊子(左)】
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イメージではもっと深い山の中とか、勝手に思ってましたが

そうでは無く、道路沿いでちらほらと民家も並んでます。

交差点の脇には滋賀名物「飛び出し坊や」の忍者版が設置されてます、

そう、ここは甲賀の里です。近くに「伊賀」もあるので

この全域が忍者の里、まさに乱世の時代に、この界隈を

密命を帯びた忍者が駆け抜けていたのかと思えば感慨も一入です。


道沿いにあるどちらかと言えば地味めな、

参道の入り口があります。

山門へ続く参道は、右に灯籠が一列、

左には十一面観音座像の小型版石仏が5列ほど重なり並んでいます。

これだけで、まずはここは「観音押し」なのだと、すぐに分かります、

期せずして、見仏巡礼旅ではその時々で浮き上がってくる仏像があります、

時に「毘沙門天」だったり、「不動明王」だったり、「薬師如来」だったりと、

今回は「観音」です、その言葉の響きがイイですね、

地蔵ほど人に寄り添うわけで無く、少し離れた所から

優しく見守ってくれている感じかなぁ~、いつも観音菩薩にはそんなイメージがあります。

ちなみに・・・あの「Canon」は、まさにそのまんま、「観音」から社名を取ってます。

ん!そうなるとワタシはNikonよりCanonを使うべきなのか・・・(笑)






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山門の両側、ガラス張りの中には、筋骨隆々な仁王が二体鎮座、

白目に部分が赤く、迫力有る眼光でワタシらを睨んでます。

けして怪しい者では無い事をアピールするため、

合掌一礼して境内へ。

正面には以前ポスターで見た本堂がありました。

その右手に拝観受付場所があります、

拝観料金を支払い、御朱印の受付もこちらですが、

ワタシはここの御朱印帳も旅の目的のひとつなので購入して朱印を頼みました。

受付にいた近所のおばさん風な方から、本堂の正面から入って下さいとの事で、

言われたとおりにします、

堂内へ入ると、先程のおばさんが先回りしてて、

本堂の裏にある収蔵庫の扉が開かれます、ワタシらが本日最初の拝観者なのです。

案内されるまま収蔵庫の中へ入ります。






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うーん、やはり素晴らしい!

目の前の大きな十一面観音座像の美しさに吸い込まれます。

一丈二尺の重文仏、蓮華座から光背まで入れると全長は5m越、

長い間、秘仏として33年に一度しか開かれなかった厨子の扉、

そのお陰で平安仏ながら彩色が残り、目映いばかりです。

今は春と秋の特別拝観時にその姿を観られるみたいですが、

いつまた、その扉が閉じられるとも限りません。

上野で観たときよりも神々しく感じられるのは、

やはり厨子の中に御座すこの形こそ、本来有るべきお姿だからでしょうか。

最澄作と伝わる観音座像、この寺から西を見れば琵琶湖があり、

その先には比叡山があります。

天台宗の影響下にある地です。

最澄はこの地に根本中堂の用材を得るために訪れた際、

霊夢を感じ、この地の櫟(イチイ)の樹に下彫刻し、安置したのが始まりです。

なのでここは「いちいの観音さん」と呼ばれています。

おばさんが簡単な説明を始めてたのには驚きました、

そこまでやってくれるとは。

しかも淀みない口調で、かなり慣れているご様子でした。

以前、上野のお会いしたことを告げると喜んでくれました。






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十一面以外にもびっしりと並んだ仏像が先程から

ワタシらを歓迎してくれています。

一体一体をじっくり見仏です。

館内を逆時計回りで進みます。

本尊の横には気品さえ感じられる地蔵菩薩座像、通路を挟んで壁沿いに居並ぶのは

鎌倉時代の毘沙門天と弥勒菩薩、続いて地蔵、吉祥、観音、観音、観音の三連続。

すべて平安仏。その横に白象(藤原)が置かれていて、

他にも聖観音三体など、凄まじい仏力が館内に溢れています。

最後は2m強ある重厚な薬師如来、穏やかな釈迦如来。圧巻なのです。

中でも毘沙門天立像の存在感がまた素晴らしかった、

袖の下を絞った形は珍しく、何でもそうしないと山の中は歩けないとか。

かつて、坂上田村麻呂が鈴鹿の賊を退治した際に、お礼に作ったとされる

俗に田村毘沙門と呼ばれている仏像です。

そういえば東北でも毘沙門天をよく見たけど、

あれは坂上田村麻呂の蝦夷征伐の名残だったなと思い出しました。





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初っぱなから大満足の見仏巡礼旅になりました、

本堂の正面から出て、受付で御朱印帳を受け取り、境内をゆっくりと進み、

山門を出ます。振り返って一礼し、今旅の無事を祈ります。


さぁ、次もかなりの仏群が、国宝のお堂の中で待っていてくれてます。



<続く>



by opaphoto | 2019-05-08 23:00 | 京都&奈良&近畿(巡礼旅行記) | Comments(0)