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2021・夏旅の青森【2】ー八甲田山ー

八甲田山観光と言えば、

ロープウェイで上がり周辺を散策するのが定番でしょう。

ちなみに八が岳と一緒で八甲田山という単独峰はありません。

総称として「八甲田山」と呼ばれています。

一番標高が高い「大岳山(1585m)」を筆頭に

18の山々からなり、

「十和田八幡国立公園」に含まれています。





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ワタシがこの八甲田山を知ったのは、八甲田雪中行軍の遭難事故を映画化した

東宝映画「八甲田山」でした。

その山名も妙に印象に残る響きがありました。

公開時に田舎の東宝劇場で観たので

ワタシが17歳くらいでしょうか、映画ばかり観てた頃です。

実はその時のパンフレットを今も持っていまして、

ちょっと探してみました。

値段が250円、昭和52年でしたから、ワタシは17歳です、遠い目になります。

懐かしさで思わず読んでみました、

原作は新田次郎、ワタシは当時、映画を観てから原作も読みました。

出演は高倉健、北大路欣也、三国展太郎、丹波哲郎、藤岡琢也、小林桂樹、緒形拳・・・、

パンフの出演者の写真を眺めれば

亡くなられた方が多いのに一抹寂しさを覚えます、随分時間が過ぎたのだと。






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明治35年1月、実際に起こったこの遭難事故、

それはほとんどの兵士が凍死したという悲惨さもさることながら、

多くの不幸が重なったという点では、起こるべくして起きた事故だったと思います。

いくら極寒のロシア戦線への訓練と言っても、

爆弾低気圧が発生するという希に見る最悪の天候だったわけで、

しかも、その対処を誤ったわけですからね。

映画内でもまるでハイキングに行くような気楽な場面が描かれてました。

しかし、何が怖いって暴風雪の怖さに尽きます、

スキー場など無い九州の西端でこの映画を観た時、

とにかく画面から伝わる寒さが痛いほどでした、

実際はどうかと想像すれば、ただ絶望という言葉が浮かぶだけです。

八甲田の教訓はいろいろ活かされたと聞いてますが、

多くの犠牲の上に今があると言うことを忘れてはいけませんね。





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八甲田ロープウェイの駐車場に着いて、

空を見上げます。

実は、ここへ向かう車中から分かっていましたが

上の方がかなりガスってるのです。

やはり山へ行くのは午前中なのですよね。

それでもロープウェイは動いてましたので、

とりあえず往復のチケットを買いますが、

その時、窓口の方に「現在、上は視界が20mほどですが良いですか?」と

聞かれました・・・、視界20m・・・、

まぁ、でも、それはそれで仕方無いと諦めます、

これもまた旅なのです。


ロープウェイを待っていると意外にも

ちらほらと人が集まります、

上に行くのはワタシらだけかと思ってましたので、

少しホッとしましたが、話し声を聞けば半分は地元の方のようでした。

乗客はワタシら含めて8名、ロープウェイが動き出します。

高度が上がるにつれ、言われた通り、徐々にガスってきます、

そのうち視界がほぼ無くなってしまいました・・・、

なんか妙な感じがしましたね、まるで黄泉の国にでも運ばれてるような・・・、

この霧が晴れた瞬間、明治35年の雪中行軍隊が居る場所にタイムスリップとかしたら、

軽装なワタシらは即死だなと考えたりして。

そういえば、映画の中で、冒頭だったかな、

緒形拳演じる生き残った江藤伍長が夏の八甲田を訪ねるシーンがあり、

このロープウェイに乗っていたのを思い出しました。

まぁ、とにかくあの映画を観てから40年以上、やっと八甲田山に来たわけで、

ガスっていましたが、その感動はありました。



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出発した山麓駅から約10分ほどで山頂公園駅に到着です。

この駅を起点に最高峰の大岳から酸ヶ湯温泉までのトレッキングコースがありました、

終点に温泉がある、まさにベストなルートです。

ここから大岳まで約2時間、酸ヶ湯温泉までは4時間。

秋の紅葉シーズンに歩けば絶景が楽しめますよね、

雑誌で何度も観てます。


山頂公園駅からの見晴らしも良いはずですが、

この時は何も見えず・・・ただ連なる稜線を想像するしかありません。

とりあえず予定通りに八甲田ゴードラインと呼ばれる遊歩道コースを歩くことにします。

そういえば、山頂駅に着いてから周りを見れば、

とにかく赤とんぼだらけ。

そんな赤とんぼと戯れるように歩き出しました。

まぁ、眺望には見放されましたが、足下に咲く花々や草の青さを楽しみました。

時計を見れば16時前、山頂駅近くの展望台まで戻り、

そこから本来なら見えるはずの山々へ向かって、

雪中行軍で亡くなられた方々へ手を合わせました。


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時間待ちで山頂の売店で土産物を物色し、

ロープウェイに乗って下界へ、

徐々に視界が開けてきます。

眼下に広がる濃密な森とその青の絨毯、あ〜まさに「青森」なのだと思いながら

八甲田山を後にします。

またいつか機会があれば、今度は登山してみたいと思いつつ。


山麓駅に着いて、ここでも少し土産物も物色、

車へ戻り、一気に青森市内へと向かいました。




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レンタカーを返却し、そこから数分歩けば今宵の宿。

チェックインを済まして、少し落ち着いてたら、あっという間に

居酒屋タイムとなり、いそいそと出かけました。





by opaphoto | 2021-09-05 19:00 | 旅日記(国内) | Comments(0)